>>887
 ジェームズ・コバーンというアクション俳優を始め、いろんなハリウッドのセレブたちの間で
「じゃあ、ハリソン・フォードを大工として雇おう」というのが流行って、かなりいろんな家を建てたそうなんですけども。

(大工時代) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/9/4/9484df6d.png

 1970年にこれは、メキシコ系のミュージシャンのセルジオ・メンデスの家の大工をしていた時の写真ですね。
 本当に大工として引っ張りだこだったそうです。

 そんなふうに大工としても働いている一方で、まだエキストラの仕事も続けていたので、
1973年に『アメリカン・グラフィティ』でジョージ・ルーカスに起用されて、いい役を貰います。

 この映画自体は大ヒットしたんですよ。本当に、映画の歴史に残るくらい、
『アメリカン・グラフィティ』は大ヒットしたんですけども。なぜか、
ハリソン・フォードだけにはスポットライトが当たらなかったんですね。

 なので、「やっぱり俺はダメなんだ。子供も2人目が生まれたし、もう、役者の道は諦めて、
大工として本格的に生計を立てよう」と思うようになったそうです。

 ある日、彼が、ジョージ・ルーカスとフランシスコ・コッポラが二人で作った
アメリカン・ゾエトローププロダクションという映画会社の中で大工をしていた時に、
かつて『アメリカン・グラフィティ』で自分を役者として使ってくれたジョージ・ルーカスが来たそうなんです。

 その時も、もうちょっと強気だったらば、「ああジョージ、俺をまた使ってくれよ」なんて言うところなんですけど。
大工をしている自分が恥ずかしくて、コソコソ隠れながらドアの上の部分を作ってたそうなんですよ。
 スター・ウォーズ前夜というのは、ハリソン・フォードにとってはそんな時代でした。
・・・
 さて、このハリソン・フォードなんですけど、実は『スター・ウォーズ』に関しては、あまりいいことを言ってません。
それどころか“黒歴史”にしてるというふうにも言われてます。

 それはなぜか?

 実は、『スター・ウォーズ』の第1作目である『新たなる希望』と『帝国の逆襲』については、
ハリソン・フォードは「自分はこの映画の“アシスタント・ストーリー・テラー”だ」なんて名乗るくらい気に入ってたんですよ。
「脚本を書いているわけではないだけど、ジョージの右腕だ」って。

 さっきの写真からもわかる通り、ハリソン・フォードにしてみれば、
マーク・ハミルとキャリー・フィッシャーというこの映画の主役である2人の若者をまとめて面倒見て、演技を教えていた。

 登場人物のセリフに関しても、ハン・ソロのセリフだけにとどまらず、かなりアイデアを出していたし、
ハリソン・フォードの助言によって書き換えられたセリフもいっぱいあった。

 そんなふうに、『スター・ウォーズ』の内部世界に関して、かなり自分はわかっているつもりだったんです。