>>977
 これは、人間そっくりに作られているロボット、ヒューマノイドです。
 なぜボディが透明なのかというと、故障をしたときなんかに、どの部分の調子が悪いのかがすぐにわかるように、
服で隠れる部分は徹底的に透明に仕上げられてるんですね。

 これ、やっぱり、1964年の技術じゃないんですよね。僕も、これまでかなりいろんなロボットとかを色々と見てるんですけども、
同じ頃に作られていたゼネラル・エレクトリックのヒューマノイドとかよりも、軽く先を進んでるんです。

 1964年のニューヨーク博で、これ1体だけをなんとか動かしたんですけども。
カルーセル・オブ・プログレスでは、この技術を応用して、一度に舞台上で5人以上のヒューマノイドを動かしたんです。
 これを指して、オーディオ・アニマトロニクスというふうにディズニーは呼んでます。
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 これは、そのロボットを舞台上に配置している風景です。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/c/a/cacf541b.png

 人間が準備をしてるんですけど、正直言って、写真を見るだけじゃ、どれが人間でどれがロボットなのか、見分けがつかないんですよ。

 ステージの中央にこれ見よがしに座ってる男がオーディオ・アニマトロニクスというのは、まだわかるんですけど。
ちなみに、この青いセーターを着ているのがウォルト・ディズニーです。

 ステージ袖にいる白い服を着て手を上に挙げている姉ちゃんが、ロボットだって、わからないでしょ?
これ、奥さん役のロボットなんですけども。このレベルなんですよ。

 ステージ中央のアップの写真がこれなんですけども。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/4/7/4766b4b3.png

 座っている男性ロボットが、さっき話したジョン一家のジョンですね。パイプを持って、新聞を読んでます。
 これは、ウォルト・ディズニーが、このジョン一家を紹介しているところなんですけども。
「今、私が準備しているのは、64年のニューヨーク博で行うカルーセル・オブ・プログレスのセットです」って。

 ここで、「やあ、ジョン。ああ、パイプに火を付けてあげるよ」と、ウォルト・ディズニーがライターに火をつけて、
ちょっと差し出すんですね。すると、このジョンのロボットが、ものすごく自然な演技で、パイプをフッと持ち上げる。

 これ、どうなってるのかというと。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/f/6/f669c36a.png

 これがジョンの入力装置なんですよ。“マスタースレーブ機構”で、写真の手前にいる全身に機械を取り付けられた俳優さんが動くと、
その動作をコンピューターが信号に変換してジョンに送る。すると、ジョンの人形がその通りに動くんですよ。

 こうやって、「リアルタイムの演技が付けられる」というものなんですけども。
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