>>742
 ジャングル・クルーズでは、ジャングル探検隊みたいな格好をした人が、「こちらですよっ!」とか、
「すぐ乗車できまーす!」とか「あなたは○番に乗ってくださいっ!」というふうに、笑顔を絶やさないんですけど。
ところが、ホーンテッドマンションでは、多数いる係員の誰も笑っていないんですよね。

 誰一人笑わずに、深刻な顔をして「こちらに入ってください……」とか、
「このロープの位置まで来てください……」というふうに、うつ向き加減で静かに言うんですよ。

 で、相手が笑顔を全く見せないものだから、こちら側のヘラヘラ顔も、段々と真顔になってくるんです。
 この雰囲気に「ちょっと待て! お前ら、どこまで本気でエンターテイメントをやるんだ!?」って思って、ビックリしたんですよね。
・・・
 そのホーンテッドマンションというのも、やたらと作りが豪華なんですよ。
 普通、こういうお化け屋敷を作る時は、建物の外観からオドロオドロしく怖く作るものだと思うんですけども。
アナハイムのディズニーランドのホーンテッドマンションはそうじゃないんです。

“フランスコロニアル風”と言われる、バルコニーがデカくて柱が立っているタイプの、メチャクチャ豪華な洋館なんですよ。
 「その洋館の中に住んでいた家族が呪われてしまった」という設定なので、
中は呪われてるんだけど、建物の外見だけはすごいんですよ。
そういう設定も全く知らずに入ったから、外の建物を見たときには「やたら綺麗でカッコいい建物だな」って思ってたんですけど。

 これ、初期案では、どうやら外観まで呪われた家風に作ろうとしてたらしいんですよね。
 ところが、ウォルト・ディズニー本人が「外観は普通にしようよ。
これ、ニューオリンズスクエアのすごく目立つ位置にあるんだから、
いわゆるフレンチクォーターという十字路の目玉になるような豪華な建物にして、
中だけは呪われてるってした方が、絶対に怖いよ」と言ったそうなんです。
 で、その一声で、中が呪われているけど、外は豪華という屋敷になったそうなんですけども。
・・・
 アトラクション自体も、まあ、すごく上手く出来ていて。
もう体験した人もいっぱいいるでしょうから、いちいち細かく言いませんけども。

 屋敷の中に出てくるオバケたちが、一斉にセリフとか歌をガーッと言うんですね。
何を言ってるのかは、正直よくわからないんですけども。

「ハッハッハー!」とか「ダンダン、ダンダン、ダン〜♪」とか、いろんなことを言ってたり、
それぞれ違う歌を歌ってるオバケたちが、コーラス部分になると、フッと一斉にユニゾンになるんですね。

 その瞬間の世界のキュッというまとまり方がすごくて、「おいおい、これ、なんだよ?」って。
これも、それまで考えていたお化け屋敷とは全然違ったんです。

 このアトラクションでは、前しか見えない車みたいな乗り物に乗せられるんですね。
2人1組とか3人1組で、真正面しか見えない、周りが囲われている車に乗せられる。