>>878
 なぜかというと、仕掛けが気になったんですよね。

 タートルトークの仕掛けについて、ブログとかで予想をしてる人も結構いるんですけども。

 この亀というのは、暗い会場の中でお客の反応を見るんですよね。
「お客さんがこんな顔してる」とか、「ちょっと手を挙げた」とか、「こんな帽子被ってる」っていうのを全部、
カメが拾って喋ってくれるんです。

 だから、「いろんなところに隠しカメラがあって、離れたところにいる俳優さんがアドリブで演技しているんじゃないか?」
っていうのが、ほとんどの人の考え方なんですけども。

 ディズニーのやり方ってね、そうじゃないんですよ。
 ディズニーっていうのは出来る限りライブでやるし、出来る限り故障しないシステムっていうのを作るんですね。

 タートルトークというのは、客席があって、その前にスクリーンがあるんですけども。
おそらく、そのスクリーンの真裏に演者がいると思うんですよね。

 あのスクリーンが、いわゆるマジックミラー状態になっていて、真っ暗な部屋に掲げられたスクリーンの、
本当に真裏の、1m以内くらいの場所にいて、お客さんをすごく近くで直に観察してるって、僕は思うんですよ。

 「そうだろうな」と思って、僕、タートルトークに行った時、出来るだけ真ん中辺りに座って、
スクリーンの真ん中をずーっと見つめてたんですよ。

 で、「さあ、じゃあ、次は誰に聞こうかな」とカメが言った時に、
「俺のこと見えてるよね?」っていうふうに軽く頷いたら、
もちろん俺を当ててくれて、「名前はなんていうんだい?」
「……斗司夫って言います」ってことで、一通りやり取りをしたんです。

 やっぱり、実験してみてハッキリしたんですけども、あれはスクリーンの真裏に人が居るんですよね。
カメラでもなんでもない、裏に人が居る。

 そういうふうに、「変にテクノロジーを入れずに、お客さんと演技をするキャストというのを直に近づける」
っていうのが、ディズニーのやり方なんですよ。
・・・
 あと、ディズニーランドの方に“ホーンテッドマンション”という、アトラクションがありますよね。
 ホーンテッドマンションというのは、いわゆるお化け屋敷で、ゴシック調の古い建物の中に入っていくと、
大広間みたいなところで部屋中に半透明の幽霊がボワーっと浮き上がって動くんですよ。

 この仕掛けについても「どうなってるんだ?」と不思議になるんですけども。

 よく「あれはホログラムなんじゃないか」と言われることが多いんですけど、ホログラムではないんですね。
 あれは“ペッパーズ・ゴースト”という、19世紀のロンドンでメチャクチャ流行ったお化け屋敷と同じ手法を使っているんです。

(パネルを見せる。ペッパーズゴーストの全体図)ヘ?ッハ?ース?・コ?ースト
http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/5/6/56d9d938.png