>>661
 イェーガー計画を推進してたり止めたりする権利を持っている委員会みたいな、
ネルフでいうとゼーレみたいなところがあるんですけど。

その委員会の会議中に、イギリス代表の人が「今後、人類は海岸線より200km奥で暮らすことにすればいい。
そうすれば、怪獣が海岸から襲ってきても大丈夫だし、イェーガーなどという巨大ロボットは必要ない!」と言い放つんですよ。

 映画の中では、イェーガー計画を主導していたペントコストという黒人の司令官は、
そんな話を文句ありそうな感じの顔をしつつも黙って聞いてるんです。

 だけど、この小説版には、この時、ペントコスト司令が内面で考えていたことまで書いてあるんですよね。

 「ふざけるな。イギリスのどこに海岸線より200km奥の土地があるんだ?
だいたい、お前らはパシフィックのリムにいないじゃねえか! 大西洋じゃねえか!」と。
 こんなふうに、ガンガン毒づいているシーンがあって、僕は結構、好きなんですけども(笑)。
・・・
 この映画に出てくる怪獣というのは、もう本当に、ただの“モンスター”ではなくって、
『ウルトラマン』とか『ゴジラ』に出てくる“怪獣”に近いんです。

 まず、通常兵器では全く歯がたたない。まあ、核兵器を使えば、実は倒せるんですけど。
ただ、怪獣1頭を倒すのに、核ミサイルが3発必要なんですね。なので、怪獣が出てくる度に核ミサイル3発当ててたら、
地球上に人類が住める土地がなくなってしまう。

 となると、どうするのかというと、怪獣の至近距離からプラズマ砲を当てるくらいしか対抗策がない。
「だから、巨大ロボットなんだ!」というふうに、ギレルモ・デル・トロ監督たちのチームは考えました。

 怪獣と戦う兵器というのは、飛行機みたいに華奢ではいけない。怪獣というのは生き物ですから、
とにかく予測不能の動きをするんです。そんな中で、飛行機のような、
ちょっと当たったら壊れたり落ちたりするような華奢な兵器では近づくことすら出来ない。

 おまけに、プラズマ砲を使うわけで、ヘリコプターよりも、もっと重い荷物や電源を運べるような兵器でないと困る。
そして、戦車よりも丈夫でなくてはいけないし、その上、戦艦より素早く動けるものでなければならない。