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2001 『A.I.』
2002 『マイノリティ・リポート』
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
2004 『ターミナル』
2005 『宇宙戦争』
『ミュンヘン』
2008 【『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』】
2011 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』
『戦火の馬』
2012 『リンカーン』
2015 『ブリッジ・オブ・スパイ』
2016 『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』
2017 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
2018 『レディ・プレイヤー1』
2019 【『インディ・ジョーンズ5』】
――――――
 これ、今、黒く囲ったところ(【  】)が、シリーズ化している作品なんですけど。
 実は、これ以外にも、『ジュラシック・パーク』シリーズの3とか、そういう作品では、
自分がプロデューサーに回ることでシリーズ化してるんですね。すごく頭が良くて、映画を撮るのも早い人です。

 それ以外にも、シリーズ化できるエンタメ作品で人気を取って、例えば『ブリッジ・オブ・スパイ』のような、
文芸的なものとか社会的なものを作るという、そういう気配りも忘れない人なんですね。

 特徴的なのは、「あくまでシリーズモノで稼いで、好きな作品を作れる下地を固めてから文芸に挑戦する」というところです。
 ここら辺は、押井守さんにも共通しています。押井さんというのは、スピルバーグをすごく薄めた形を取っています。
「時々ヒットを出して、みんなが押井守だってヒットを作れるんだと思ったところで、好きな映画を作る」と本人も言ってますから(笑)。

 押井さんは自分で自分のことを、「このやり方は、スピルバーグほど安全ではないけど、
俺の方がスピルバーグよりも作家性が強いから、ついてくるファンも多いので、こういう作戦が出来る」って分析してます。
・・・
 つまり、1980年代、スピルバーグというのは『インディアナ・ジョーンズ』シリーズの3本で食ってたんですよ。
 そして、90年代は『ジュラシック・パーク』で食いつないでます。
 2000年代では、実はプロデュースをやっていた『メン・イン・ブラック』で食いつないでいて、2007年から今までは、
これまたプロデューサーをやってる『トランスフォーマー』で食べてるんですね。

 『トランスフォーマー』に関しては、実は出演者から監督のマイケル・ベイまで、
スピルバーグが指名してますから、あれはスピルバーグ作品みたいなもんなんですよ。
 そうやって、確実に稼げるシリーズ作品を、1,2,3,4……と作ることで、
ちゃんとビジネス的な評価も上げるというのが、スピルバーグの基本戦略だったんです。