>>504
続いて二段目。
心が落ちついてきたら、人に話すか、ネタにしましょう。

中学の時にいじめられていた、と知り合いに言うだけでも、
太っている昔の写真を見せて笑ってもらうだけでもかまいません。

つらい記憶の苦しさから逃れようとするあがき、それをクリエイターたちは「創作意欲」と呼びます。
あなたには「創作意欲」となる心の傷だけがあり、その解消方法としての「表現」が存在していません。
吐き出し場所さえ見つかれば、どんどん楽になるはずです。

これを簡単に証明してみましょう。
いま、あなたの悩みは活字になり、今朝の朝日新聞に掲載されました。
この瞬間、全国で何百万という人が読んでいるでしょう。

どんな気分ですか?
ちょっとだけ「苦しい」がマシになってるでしょ?
あなたの「苦しみ」は、表現されて発表された瞬間、実は「快感」に変わっちゃうんです。

人に経験を話すのは、この応用です。
自分の苦しさを「表現への動機」として利用する。人に心を打ち明けるツールとして使ってみる。

あなたのつらさは、残念ながら一生消えることはないでしょう。
でも人に伝えていれば、同じ痛みをもつ人の話を聞いてあげれば、少しずつ薄れていくでしょう。

そんなあなたを人はこう呼びます。
「あの人は、人の痛みがわかる人だ」と。
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この記事は、朝日新聞の人生相談『悩みのるつぼ』からお届けしました。
4月21日に掲載された相談文と岡田斗司夫の回答です。

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岡田斗司夫
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