0055おたく、名無しさん?
2018/02/19(月) 11:08:28.54他にも、宮ア駿の『風立ちぬ』っていうアニメがあります。あそこで描かれている主人公の堀越二郎というのも、
実際の堀越二郎とは全く関係ないんですね。
本当の堀越二郎は、別に人でなしではないし、ゼロ戦を作った後は、YS-11とか新幹線とかの開発に、
ちょっと口を出したりする、わりと人のいいオッチャンだったんです。
でも、「あのアニメの中に描かれているような、美しいものにしか興味がなくて、奥さんを見殺しにしたヤツなんだ!」
というふうに考えてる方が、絶対に面白いんですね。
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「まあ漫画だし」っていう引いた目線で読んでいる限り、作者が見ている世界に触れるほどに近づけないんです。
所詮、僕らはそれを見物している観客になっちゃって、面白くないんですよ。
何回か前に「ブラゼルダ」っていうタイトルで、『ゼルダ』の世界をブラタモリ風に紹介する企画をやったんですけども。
あれにしたって、『ゼルダ』の中にあったことを歴史的な事実だと信じることで、ああいうふうに語れるわけです。
『天空の城ラピュタ』というアニメを語った時も、「ラピュタという物語は、この世界の中に本当にあって、パズーやシータも実在している」
と思わないと、やっぱり、あんなふうには語れないんですね。」
作者と同じ風景を見るどころか、作者以上に作品世界を信じ切ることができれば、絶対に面白いリターンが帰ってくるんです。
なので、今回も、ブラゼルダの時と同じように、「『へうげもの』に描かれていることは歴史そのものだ! 真実だ!」と信じ切って語ります。
ちなみに、これ、SFなどの完全に架空の物語を見る時でも、ノンフィクションのドキュメンタリーを見る時でも、全部同じです。
というか、これは僕は映画や読書、その他全てに当てはまると思うんですけども。「本当だったんだ!」と信じさせてくれる作品こそが良い作品で、
信じきれない作品というのは、やっぱりイマイチな作品なんですね。
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ただ、こういうものを本気にし過ぎることには、もちろん欠点もあります。本当だと思って他人に話すとマズい場合もありますよね。
だけど、そういった欠点については、リカバーの方法があるんです。それは何かというと、「他の歴史作品も読むこと」なんですよ。
『へうげもの』以外にも歴史漫画っていっぱいあります。例えば『センゴク』でも何でもいいです。そういうのを色々と比べて読んでみるんです。
それらについても、全部信じていいんですよ。『センゴク』を読んでる時は、「ああ、仙石権兵衛はこんなヤツだったに違いない!」とか、
「秀吉は、きっとヤンキーのトップみたいなヤツだったに違いにない!」と信じて読む方が面白い。
そうやって、色んな漫画を信じて読んでいると、それらのブレンドの中から、自分独自の歴史観が作られるんですよね。