森元五輪会長「酷暑はチャンス!五輪成功のカギだ!」


2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(81)が23日、都内で単独インタビューに
応じた。開幕まで今日24日でちょうど2年となるのを前に、この日、東京では観測史上最高となる気温
40・8度を記録。前代未聞の暑さが目の前にある厳しい現状を、チャンスに変えるべきとの考えを示した。

現実から目をそらせない状況で「この暑さでやれるという確信を得ないといけない。ある意味、五輪関係者
にとってはチャンスで、本当に大丈夫か、どう暑さに打ち勝つか、何の問題もなくやれたかを試すには、
こんな機会はない」と語った。

暑さ対策としてはこれまで、道路の遮熱性舗装、街頭ミスト、会場の大型冷却器、かち割り氷の配布など
が検討されている。昔ながらの「打ち水」なども効果があるとし、東京五輪関連イベントではよく紹介されて
いるが、実際に役に立つか、今夏、実証実験に最大限、利用すべきとの考えだ。

“ピンチはチャンス”という発想で、暑さ対策で日本のイノベーションを世界に発信する機会とも捉えた。
直接的な冷却装置以外にも、観客がスムーズに会場入りできるよう、会場ごとに顔認証システムの導入を
目指している。それにより荷物検査時間を減らし、待ち時間を「最長20分」との目標を掲げている。

今月18日、IOC理事会で承認された競技日程でも、暑さを考慮し男女マラソンが午前7時、50キロ競歩が
同6時スタートと決まった。しかし、森氏は「朝5時という案もあった。極論、東京都心は夜も明るいため、
夜のレースという意見もあった」と振り返る。斬新なアイデアは実現はしなかった。五輪の開催計画は
各競技連盟や団体の思惑が複雑に交錯する。しかし、この酷暑を目の前に、残り2年、思い切った取り
組みも必要かもしれない。

22日、マスコットの名前発表イベントに参加。気温は午前11時で約35度。前室で待機中、東京都の
小池百合子知事に「今日は暑いから、あいさつは短い方がいい」と話し、実際に本番で簡潔に切り上げた。


森喜朗会長が語る、この猛暑が東京五輪成功のカギに 2018年7月24日 https://www.nikkansports.com/sports/news/201807240000148.html