平昌五輪なのに「時差」? 米TVが影響力
平昌五輪
2018/1/30 0:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26293080Z20C18A1EA2000/
https://www.nikkei.com/content/pic/20180130/96958A9F889DE0E4E0EBE1E2EAE2E0EBE2E3E0E2E3EA9793E0E2E2E2-DSXMZO2629212029012018EA2001-PB1-3.jpg
2月9日の平昌冬季五輪開幕まであと10日となった。日本と時差のない久々の五輪は選手にも観戦するファンにも「優しい大会」と思いきや、
午前に始まるフィギュアスケートのように「昼夜逆転」のスケジュールが少なくない。
欧米の五輪離れが進む中で2年後に東京、4年後にも北京とアジア開催が続くが、舞台裏では米国のテレビマネーが糸を引いている。

「やっぱりNBCの発言力は大きい」。平昌五輪の日程を見ながら、日本の放送関係者はつぶやく。
フィギュア、スノーボード、フリースタイルスキー。連日午前から昼すぎにかけて北米で人気の競技が行われる。
いずれも普段は夜の開催も少なくない競技だ。

冬季五輪の華であるフィギュアは米国でも人気が高く、羽生結弦選手や宇野昌磨選手とメダルを争うネーサン・チェン選手もいる。
五輪連覇のショーン・ホワイト選手がいるスノーボードやフリースタイルスキーは「Xゲーム」でも行われ、国際オリンピック委員会(IOC)がマーケット層として重視する若い世代に絶大な人気を誇る。

逆に欧州で人気のスピードスケートやジャンプは、通常と違って夜の遅い時間帯に行われる。スピードスケートの金メダル候補、
小平奈緒選手を指導する結城匡啓コーチは「時差のない国で行われるけど、競技としては時差のある大会と受け止めている」と対策の必要性を語る。