「国母選手は、先輩の名前も呼び捨てだし、ミーティングでもふんぞりかえっていた。
合宿で一緒に練習をしている時、“もっとこうした方がいいんじゃない?”って
アドバイスのつもりで言ったら“うぜーよ”。
“今の技、すごいじゃん!”と褒めても“お前、うぜーよ”と言われて・・・」
 
これが、前回・トリノオリンピックでの同競技のホープだった成田童夢の証言である。
 <スターぞろいの米国チームでも練習前に円陣を組み、団結を図っていた。/
一方の日本チームには残念なことに仲間はずれすら存在した。
ストレスに耐えきれなくなった選手(=成田童夢)が
近場の喫茶店で時間をつぶしているようでは、心の準備もままならない>

これは、この(トリノ・オリンピック)当時のことを報じた日本経済新聞の記事である。
驚いたことに、当時20歳の成田童夢は、3歳年下の、17歳の国母和宏にいじめられていたというのである。

そして、こんなレポートが続く。
 「トリノ五輪直前のW杯で、僕が国母選手に勝った時のことです。
その晩、代表メンバーやコーチが部屋に集まって打ち上げをしていたら、突然後ろから頭を殴られた。
“痛ってー!”と振り返ったら、国母選手がテキーラの瓶を持って、へらへら笑っているんですよ。
もちろん頭にきたけど、五輪直前に喧嘩沙汰は困ると思って、怒りを抑えて黙って部屋に帰りました。
周りのみんなは何が起きたか分らずポカンとしていたけど」

もしこの記事が本当なら、品格がどうしたとかいう以前の問題である。