■目立つ英語の変化、日ごろの努力重要 Z会進学教室・尾田哲也代表

 自校作成問題が復活する今年は、進学実績を伸ばす高校、特に日比谷がかなり難しくなる予想
もありましたが、全般的にそれほど難しくはなりませんでした。

 変化が目立ったのは、英語です。西では、かなりの分量の長文が丸々一つ分増え、一般の中3
生は、時間内に読むのも厳しかったでしょう。日比谷も、最も変化したのは英語です。英作文が独
立し、記述問題も増えました。英作文は昨年から対話文を自分で考えて完成させる形式に変わり
ましたが、これは東大の出題を意識しているのかもしれません。国立も過去の自校作成同様に理
系的な内容の英文が出題され、難しくなりました。単に英語ができるだけではなく、幅広い教養が
求められています。

 グローバル化が叫ばれる中、今後もますます英語は重要になるでしょう。英文を音読する、英会
話番組を欠かさず聞く、中3の後半は英英辞典を使うなど、中学校の学習以上の日ごろの努力が
重要になります。

 一方で数学はやや易しくなった学校もありました。今年は、筑波大付や開成なども易しくなりまし
た。東大の数学入試が易しくなっている影響ではという見方もありますが、都立の数学は難しくし
すぎると差がつきにくくなることを意識したのかもしれません。

 久々の自校作成で、若干こなれていない出題も見受けられましたが、来年以降は改善していく
でしょう。入試改革で生徒も我々教える立場の者も、日ごろからより本格的な勉強が求められる時
代になっています。
http://www.asahi.com/area/tokyo/articles/MTW20180305131560001.html