進学指導特別推進校の小山台の上に名を連ねるのは、中学受験でちょうど偏差値50前後のいわゆる中堅校だ。A率で比べれば都立小山台よりだいぶ高い実績であり、都立新宿と肩を並べる。
つまり、都立「2番手校」、しかもそのなかでの上位校であっても、中学受験で偏差値50程度のボリュームゾーンの学校と同等レベルなのだ。

 高校受験で都立高校の最難関上位数校に合格できる自信がないのなら、中学受験で私立中堅校や公立中高一貫校に入っておくほうが、難関大学合格可能性という観点からは有利なのである。

「ちょうどいい」レベルの都立高校が少なすぎる

「都立復権」とは言っても、都立高校全体がレベルアップしたわけではなく、日比谷、国立、西の一部トップ校だけが突出して高い実績を出しているだけであり、
難関大学合格実績では、ほとんどの都立「2番手校」「3番手校」がいまだ私立中堅中高一貫校の後塵を拝しているのが実態というわけだ。
これでは東京で根強い私立中高一貫校人気に歯止めをかけることはできない。



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