前回宗教学者の島田裕巳の「葬式は、いらない」の書評をすると書いた。
しかし、実際手にしてみると買うほどのものではないかなと。新書だし。立ち読みで。
結局島田氏として葬式のデメリットや最近の傾向を述べてはいるが、
結局は葬式は無用ではないという結論に落ち着いている。
死者の鎮魂のための儀礼は必要だが、それは形式的意味と同様に、
死者への慰めという心的装置が重要という至極当たり前の論旨であったように思う。
もちろん、最近の葬式の動向や葬式経済学に関心がある方は講読されたい。
天理教でも葬式を行うようなので、参考にはなると思う。
私は、もっと精神論というか、
現象学的宗教学に言及されている方がおもしろいのだが
島田氏はそういった思考はあまりされない。
彼は宗教を哲学的思索よりも、科学的手法を用いて宗教を論じることを
得意とされる方だと私は印象づけられている。
ま、そんなところかな。