スクープ・インタビュー トッカイ【番外編】 末野謙一「バブル経済とは何だったのか」
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 機構側はこの訴訟のために、印紙代(申立手数料)だけで1億7000万円以上もかけている。一方、敗訴した末野の
返済額は、年間14%の利息(遅延損害金)が上乗せされ、毎年約230億円ずつ増え続けている。8年後に返済額は
1兆円を超すだろう。
 当の末野は社会的制裁をくぐり抜けたためか、「気にもせえへん」と言っているという。

 回収機構などによると、末野自身は破産宣告を受けたが、その後、彼とは切り離した形で、親族や彼に近い人物が
不動産会社など11社を経営し、業績を伸ばしている。末野はあくまでもアドバイザー役で、「古いビル買うてもろたり、
また売らしてもろたりして小遣い(「といっても桁が違う」と知人は言う)を稼いでいる」。

 彼は大阪の清風高校を1年で中退し、中央市場で働いている。刑事事件の判決文で、裁判長の上垣猛は
「裸一貫から自己の才覚と努力により巨大な富を築き」と異例の判決文を読み上げたが、18歳でダンプカーを
月賦で買って身を起こし、大阪万博で50台のダンプを動かして100億円近くの儲けを得た。ただ、彼に不動産業を
勧めたのは、神戸ポートピアホテル創業者の中内力だという。

 彼の「ひと月45日働いた」という苦労話や、大阪・新地の豪遊、タニマチ物語は、まるで漫談のように面白い。
バブル御殿の芝生の上で大相撲の横綱たちに相撲を取らせた、と言って笑わせたと思えば、貧乏と成り上がりを
論じ、「世の中で一番頭くるのは差別や」と言ってハッとさせ、押したり、引いたり、すごんだり、いつの間にか、
バブルとあの不良債権時代を物語っている。