大学入試の解答例公表について 東大「全くやるつもりはない」理由は「解答は1つではないから」


ネットでは批判もされているが、今回の東大の判断は全く持って当然の判断だ。
日本の学術研究・教育の最後の砦とも言える東大のこの判断の意義は大きい。
解答例の公開は慎重に検討する必要がある。
国立大学の二次試験の問題は、公式やキーワードの文字面を暗記すれば解けるような問題ではない。
また、そのような問題を出してはならない。
解答例の公開は、大学が公開する解答例があたかも「それが唯一の正解」という誤った印象を与えかねない。
何より解答例の公開を義務化すれば、受験者に基礎知識を使いこなさせる問題、
言い換えれば考えさせる問題といった良質な問題を、作成する側が作れなくなる恐れがある。
問題作成者のモチベーションを萎縮しかねず、かえって低レベルの文字面だけで解けてしまうような問題が出題されかねず、
基礎知識を使いこなせる能力を試すという二次試験を課す意義・目的そのものが没却されかねない。
東大を始めとする旧帝国大学はネット世論の瑣末な議論に流されないでほしい。