東大推薦 青森県内から初合格


 2017年度の東京大学推薦入試で、八戸高校3年の野口裕一郎さん(18)=岩手県・種市中学校卒=が理学部に合格した。
2年目を迎えた推薦入試制度で、青森県内の高校からの合格者は初めて。
素粒子物理学者を志しており、「早く研究に携わりたい」と意欲に満ちあふれている。
 合格発表があった8日、担任教諭と職員室のパソコンで、自身の受験番号を確認した。
その瞬間、オープンキャンパスで東京大を訪れた時に脳裏に焼き付けたイチョウ並木の光景が目に浮かんだという。
 中学2年の時に科学雑誌に掲載された相対性理論の特集を読んで素粒子物理学に興味を持った。
八戸高では自然科学部に所属。昨年8月の全国物理コンテストでは銅賞を獲得した。
学年主任の木村伸子教諭は「志が高く、決してガリ勉タイプではない」と語る。
 昨夏の終わり、担任教諭から推薦入試受験を勧められた。「推薦で入学すると、早い段階から専門科目で個人的な指導を受けられる。
将来のビジョンを考えたときに推薦入学が最短の道だと思った」という。最先端の研究施設も魅力だった。
 志望理由、大学卒業後の自身の将来像、自己PRをそれぞれ千字程度にまとめ、昨年11月の1次選考に提出して通過。
翌12月の個人面接では「誘電率の物理的解釈を教えてください」と質問を投げ掛けられた。
総合的な学習時間で誘電率の研究をした経験が生きた。今年1月の大学入試センター試験は東京大が求める
「おおむね8割以上」の得点を悠々と上回った。
「深い専門性はもちろん、広い教養と多角的な視線を持って新しいことを考える。
今、自分が描いている研究者像です」。落ち着いた口調の中に学問への情熱がのぞいた。

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