確かに男の性質上、真新しくはなくなった慣れあいのパートナーに、出会った頃と同じように興奮し続けろ、というのは無理難題なのかもしれない。
どんなに愛していても、必要な人だと思っていても、体が言うことを聞かない夜もあるだろう。
だからこそ私は、″人並み外れた性欲″がある相手を見つけようと思った。若さゆえの性欲、というだけではなく、何歳になっても、相手が「女」というだけで興奮し続けられるような、″雄の極み″を伴侶としたかったのである。
酔ったときに使い物にならない、1回で疲れて寝てしまう、そんなことが、もし一度でもあろうものならば即刻別れていた自信がある。″雄″とは本来、生命の危機を感じているときほど、子孫を残そうとがんばる動物なのだから。

その昔、飲み会で、みんなの笑いを引き出すためによく使っていた鉄板文句がある。
「神様は、こんなに素晴らしい行為を、なぜ人間にタダで与えてくれたのか」。周りは爆笑し、わたしも冗談ぽく言っておきながら、内心は大真面目であった。
ここで断っておく。私は決してセックス依存症ではない。
たとえば、どんなに大きな喧嘩をしたって、この行為さえあれば、一瞬で関係の修復が可能だ。
そして、どんなに気分が落ち込んでいるときも、否応がなしに出てくるアドレナリンが、脳内をハッピーにしてくれる。それも、買い物や旅行のように、一切お金がかからない。
そんな良いことずくめの愛情表現。少子化問題をなくすためにも(笑)、しない手はないだろう。
いまだに、″手をつないだだけで元気満々になってくれる″律儀な夫とは10年間、(一緒にいる日は)1日も欠かさず仲良くし続けている。

(条件21〜30を紹介する#3につづく)