国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が、13日にあった大学入試センター試験・地理Bの問題で人気キャラクター
「ムーミン」を取り上げた設問について「非常に夢がある問題」と評価している。
一方で自身も大学共通第1次学力試験を経験している立場から、日本の大学入試(国公立受験)について持論を展開した。

「ムーミン」の舞台はフィンランドと答えさせる設問が出題されたが、専門家から「“ムーミン谷”は架空の場所であり、
フィンランドが舞台だと明示されていない」と疑問視する声もあり波紋が広がっている。
18日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)でも「ムーミンの設問 何が問題?」と取り上げ、
この設問は語族の知識やイラストにある森や船の描写から解答を導き出すことができるとして、現役の高校社会科の教師も一定の評価をしていた。

同番組の木曜コメンテーターであるモーリー・ロバートソン氏は、1981年に東京大学とハーバード大学に同時合格している。
しかし東京大学に入学するも4か月で中退し、後にハーバード大学に入学し1988年に卒業した。

モーリー氏は当時、自分も含めて一緒に東大に入学した仲間達が「燃え尽きていた」と語る。
答えが決まっているものを見つける反射神経のような受験システムのために、ただひたすら頭に詰め込むことに時間を費やした受験生時代。
その結果やっと東大に合格しても「今からまた勉強して人生を学ぼう」という雰囲気がキャンパスには無く、
失望したモーリー氏は心機一転ハーバード大学で学ぶことを選んだという。

アメリカにも日本のセンター試験にあたるSATやACTがあるが、
モーリー氏曰く「本当に基礎的な知識を試すだけ」で重要なのはエッセイや面接であり、学生に答えのない質問をぶつけて思考力や創造性を試すそうだ。

今、日本に押し寄せている様々な問題の多くは「答えがない」とモーリー氏は言う。
その問題に日本の受験戦争を勝ち抜いてきた政治家や官僚人たちが対するのは、「ミスマッチなんじゃない?」と疑問を投げかけた。
センター試験は2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止される。新しい「大学入学共通テスト」では、国語と数学に記述式問題が導入されるという。
「知識の量だけでなく自ら問題を発見し、答えや新しい価値を生み出す力」を重要視する方針とのことだ。