大学の授業料無償化を急いで実現する必要はあるのだろうか。

少子化が進んでいるというのに、毎年新たに大学、学部が誕生している。
その結果、私大の約4割が定員割れという惨状だ。
高校はおろか中学レベルの基礎学力もない若者が名前だけの大学生となり、
大学というには程遠い内容の授業が行われている。
教員たちも諦め顔で、よほどのことがない限り卒業証書を渡している。
卒業させないと学生が集まらず、大学経営が困難になるためだ。
一口に大学といっても質の違いは著しく、一律に授業料を無償にするのは
無定見なバラマキであり、賢い税金の使い方ではない。
まず大学の淘汰を進め、一定の学力のある者のみに
大学進学を認める仕組みをつくる方が先ではないだろうか。
大学教育は義務教育とは違うのだから。

それよりも小中学校の義務教育の現場では教員が疲弊しており、
授業に専念できる環境を整えることの方が急務だ。
教育無償化の前にやるべきことは多いはずだ。