4年間働いたけどやっぱりおかしい
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同じ会社で4年間働いたけどおかしいし、怖いことばかりなので
遅まきながら見切りをつけることにしたから、興味があったら話を聞いてほしい
相談できたら、解る人に教えてほしい気持ちもあります
就活の合間に書いていくので、遅くてもご容赦ください ある時、残業があり僕とリーダーだけが残ってしまった
佐藤さんの暴露以来、あまり二人きりになりたくなかった
「お前ももう立派に一人前だな」
唐突に言われて、まごついてしまった
「いや、そんな」
と濁し書類と向き合う
「…あのファイルさ」
またしても、急な話題だ
「お前さ、妙な噂聞いたんだろ 俺とあのファイルの女性との」
まさか先輩からその話題を持ってくるとは思わず、僕は沈黙したまま先輩をじっと見つめた
…なんと答えればいいかわからない ここで、僕は佐藤さん側からの話ではなく先輩側の話も聞きたくなった
片方からの話だけで判断したくない
「篠原さんのことですよね、誰からは言えませんが聞きました」
先輩は呆れたように笑って
「どうせ佐藤だろ、あいつ相変わらず俺を嫌ってんだなあ」
笑い顔とはちがい、声は据わっていた 「俺が篠原を振って彼女が自殺した、みたいに伝わっただろ?」
「…正確には、先輩、いやリーダーが本社
に居たかった篠原さんを口説いて付き合ったあと、本社の女性と付き合ってから彼女を振った、と聞きました」
ハッキリ言う事で「本当ですか」と聞いたつもりだ
先輩は机を叩いて「違う!」と言い切った 「どうやったらアレがそんな話になるんだよ…俺が篠原に来てもらったんじゃなく、篠原が無理にでも付いてくると言い張ったんだ ずっと俺が好きだったからだと支店を移った時に言われた
俺はゾッとしたよ、そんなことなら断れば良かったってな」
まったく真逆じゃないか
僕は呆然としてしまった
「普通に考えろ 仕事上のマイナスにしかならないだろう恋愛沙汰なんて
だが、諌めても宥めても篠原は俺に付き纏う…貴方の為に本社務めを犠牲にしてって恩着せがましくな」 もう訳が解らなかった
確かに佐藤さんの言い分を信じてはいなかったが、ここまで違うと混乱してくる
そのとき、ばこん、と何か重いものが落ちる音がして
振り向くと、食堂の明かりがついていた
僕らはお互い顔を見合わせて微動だに出来なかった >>120
そうだと思います
安心したいからこんなことを言ってしまいました、申し訳ないです >>124
もしもアプリJane Styleから書き込んでいる場合は、右上からデータ再取得するとアンカーが正しい位置になりますよ >>126
本当ですね、ありがとうございます
今気が付きました >>116
すみません、124のレスがあなた宛です 顔を見合わせていると、僕が何かいうより早く
様子を見てくる、と先輩は席を立ってしまった
しかし、真実がどうあれ篠原さんは先輩を恨んでいるのじゃないか?
結局先輩は手に入らなかったんだから
僕は慌てて先輩を追い、先輩がドアから出てきたところでほっとした
「簡易キッチンにあった醤油ボトルが落ちただけ」
そう言って笑った先輩のドアノブを握った手に、清楚なマニキュアを塗った手のひらが重なっていた…優しくではなく、爪を立て、ギリギリと食い込んで
腕の先は食堂の中で、ガラス壁から体は見えない 腕から先がない
先輩は気づかずにドアを閉め、腕は切断されて消えた その後も怪奇現象はあったの?
先輩は今でも元気なのか…
気になりまんがな 面白がっちゃいけないんだろうけど、
久しぶりに読み応えのある話だなあ
続き楽しみにしてるよー 「先輩、手が」
え?と自分の手を見るが爪痕はついてなかった
「手がなに?」
いえ、と首をふる
見てないのなら言っても無駄だ
「リーダーの話時任さんや安藤さんも知ってますか?」
話を戻す
「…知ってるよ、相談もしてたしな」
少し間があったが、先輩は悲しい顔でこちらを見た
「お前の判断で構わない とにかく俺は疚しいことはしていない 我儘だが出切れば俺を信じてくれ」
僕ははい、と返事した
実際、僕は仕事上でしか佐藤さんを知らない 先輩は学生時代を知ってるし、深く関わってはいないが誰も先輩を悪く言う人は居なかった
それなら先輩を信じよう、そう決めた >>134
楽しみでもなんでも全然構いません
知って貰えるとホッとするんです 僕の立ち位置、つまり先輩を信じると決まったら精神的に大分楽に呼吸できるようになった
誰を信じればいいかわからない曖昧な時こそ気持ちが悪い
僕は幽霊…篠原さんと敵対しても構わないと思ったそんなふうに吹っ切れて気づけば3年と半分、ここで仕事をしていた 先輩と一緒にいると恐ろしいことが起こる感じかな?
それとも一緒にいなくてあなたが一人でも不可解な事があるの? 怪異らしいものは相変わらずあった
タイミングよく一斉に電話がなり、出ると無言だったり、リーダーの机からゴキブリが沸いたり
いずれも騒ぎ立てることもなく終わった
今思うとああいった出来事を流してしまうのも怪異だったのでは、と思う >>141
ありました
むしろ先輩はあったのかよくわかりません、あっても多分話さないので…
僕はしょっちゅうありました
何故なんだろう、憑くなら先輩に行けよ!と良く考えてしまっていました 僕は家のなかでも怪異に遭いました
叫ぶほど悍ましかったのは
髪を洗っている最中に、手が増えていた時ですね
髪に手を突っ込んで揉んでいる手のなかに、細みの指がスルリと滑り込んで来たかと思うと僕の手を、恋人繋ぎみたいにしっかり握ってきました
シャンプーが染みるのも構わず目を開けて、浴室を飛び出し泡のて残りはキッチンで落としました
その夜は泣きながら丸くなって寝ました そのエピソード多くのスレ民が風呂入る前の時間帯に言うなよぉぉ
今日は目ひん剥いて洗うわ 幽霊に興味がある友達も居ないし、両親は遠方
頼れる人もない
はじめて「会社を辞める」という気持ちが本気で湧いていた
このままじゃ、僕はおかしくなる >>145
あ、そうか
申し訳ないです
書き始めてから初めて笑いました、ありがとう 何も無いふりを続けるのも限界で、とうとう僕は先輩を捕まえて
「オフィスを御祓いしてください!」
と直談判した
呆気にとられた先輩はぐいぐい僕を引っ張り、来客用のソファに強引に座らせると
「何をしろって?」と聞いてきた
同じセリフを伝えると、先輩は大袈裟にため息をついた 僕は今までの不自然な出来事を訴えた
なるべく冷静に
だけど先輩は黙って聞いたあと
「悪いことはいわないから、心療内科に行ってくれ お前疲れてるんだよ」
「幽霊とか嫌な匂いとか何を言ってる?ゴキブリとかそんなの単に住み着いていただけだろう 他の連中からはそんな心霊話一切来てないぞ
確かにお前は来てからずっと頑張りすぎてて参ってる処に変な噂を聞いてどっと疲れが溜まったんだ
解消するのは義務だ 休みを3日くらい取ってゆっくり医者に見てもらえ」 心から心配そうにそう言うと先輩は慌ただしくスマホを片手に出て言ってしまった
勇気を出した決断があっさりスルーされてしまって呆然と爪先を見下ろした
僕がおかしいのか?
前に佐藤さんのリアクションでほっとした僕だったが、あれは独りよがりだったのか そもそも佐藤さんは自分も見た、感じた、なんて言ったか?
ぐんぐん疑心暗鬼…自分の正気を疑ってくる
考えたら昔にそんな事はなかった
幽霊なんて見たことがなかった
なのに、ここに来てから急に見始めるなんておかしいじゃないか
しっかりしろ、どうかしてるぞ キッと睨むようにソファに座ったまま、テーブルを見据えると
女の顔が映っていた
反射、じゃない
僕の「側」だ
向かいに映っているんじゃない
僕としっかり目を合わせている
なんだ、こいつは
笑っている
僕は叫び出したかった
だが、それこそがこいつが望んでいるように思った
我慢して我慢して立ち上がる
真横のソファに座っている女がいる
膝に顔をつけるくらい前屈みの女
見下ろすと首筋で黒髪が左右に割れていて青白いうなじが見えた 少し目線をずらせば、働いている同僚がいる
だが、ソファには知らない女が座っている
今は怒りしかなかった
関係ないのに
関係ないのに
関係ないのに
そればかり思って涙が滲んだ
僕は呟いた 「篠原さん、もうやめて下さい
僕につきまとわれても困ります」 もう限界だった
なぜ先輩に出ない?
目の前に出ろ!言いたいことを言ってやれ
僕に出てくるな!
先輩に恨みをぶつけやがれ!
その気持ちをぶつけた
冷静に、周りに聞こえないよう静かに
彼女は不自然なくらい動かない 僕は彼女に構わず、廊下に飛び出し先輩に休みを告げた
先輩はホッとして「気にするな、ゆっくりしたあとまだ不安が有るようならまた休んだらいい」
病院に行く約束をしたが、それは最終日にいく
まずは御祓いに行くつもりだ
もう意地を張らずにアレが居ることを認める
そして自衛する 興味深く読ませてもらってます
最初は仕事に真面目に取り組む姿勢や性格の一端が
垣間見えて好ましく思い、読み進めました
一応、実体験という前提ならば
恨んでるはずの先輩より、1さんに寄ってくるのは
まぁ、1さんが寄られやすいというか優しいんでしょうね
先輩はメンタルというか鈍感力強しなんでしょう
先輩自身と何らかの関わりあった女性が会社の食堂で、
となると、かなりメンタルに着てもおかしくなさそうなのに
勝手に死んだ奴が悪い、俺こそいい迷惑!とっとと失せろ!
ぐらいに思ってて、霊が付け入る(寄り付く)隙がないのかも
1さんのプライベートまで寄ってくるとなると
(髪の毛洗うとか恋人気取りだしw、いやスマン)
マジでお祓い受けた方がいいと思うわ 読むの朝にすれば良かったあ
朝読んだとしても夜風呂で思い出すだろうけどな! 人の賑わうマックの窓際の席につき、お祓いを密にやってくれる場所を探した
知恵袋やオカルトサイトでもお勧めの神社を必死に探した
祓って貰えた、という口コミの多い神社に決め、さっさと予約する
長年の患いが洗い流されたような心地がした
また予約の段階でも、光が見えた気がした 髪の毛洗ってくれるよりチンコ洗ってくれたら良かったのになw >>163
わざわざ沢山書いて下さりありがとうございます
先輩はメンタルの鬼なので、確かに幽霊など寄せ付けないでしょうね
だから単に僕が病んだように感じてるんだと思います
僕も自分が弱いと知ってますし…
優しいのではなく、チキンなんです
でもこうして吐き出してしまい、皆さんが見てくれていると思うと
諦めずアレと戦える気がします
読んでくださってる方、みなさん
本当にありがとうございます 予約があっさり出来たこともあって、その日は友人達と久々に飲みに行ったりして楽しかった
その反動で、誰も居ない部屋に戻るのは苦痛で暗くなりがちな気を引き締めた
今日ついでに調べたが気弱だとアレらの思う壺らしい
むしろこちらから倒してやる!くらいの意気込みが必要らしい >>168
お祓い予約しているだけでこれからなんですか?
天然石のブレスレットとかもいいですよ
私も少し霊感があって金縛りとかお化けを見たりがよくあったんですが、自分に合った天然石のブレスレットを作ってもらって大丈夫になりました
予約して生年月日と干支と願い事を書いて店頭で自分だけに合うブレスレットを作ってもらいます。たまに通販もやってます
店頭で作る場合は詳細話しても大丈夫です
(自由が丘の愛○堂です……まとめサイトにはこれ載せないで) だから風呂場では敢えて浸かって、一人で時々
「来てみろよー!」
とか
「卑怯者ー!」
「あっち行けー!」
とか叫んでみた
さらに塩を風呂に入れたり、塩でうがいしたり、塩で体を洗ったりした
今思うと御祓いできることでテンションが上がりまくっていたのだろう >>171
ありがとうございます
これは過去四年間を記録していますのでお祓いは済ませております >>174
ありがとうございます
もうすぐ、やっと現在になります 疲れてしまいました
気がつけば起きていては良くない時間でした、急いで寝ます
皆さんもおやすみなさい >>168
レスありがとう やっぱり先輩って鬼メンタルなんだw納得
どんなことがあったにしろ会社の食堂で自殺したらしい
というのは相当面倒な資質の女性と感じたわ
自身や先輩に対しての疑心暗鬼に陥る過程がじわった
佐藤さんの言葉、怖いわ〜自殺した人の後釜で本社から出向
とのことで色々感情的にもあるんでしょうね
まぁ、先祖関連や忌み地等々ある種のディープなもんじゃなければ
心持ちでだいぶ違うから
お祓いは受けたんだね ちょっと安心(・・・なのか?) 実話ならば足元明るいうちに
辞めたらいい
無関係な個人に祟られる理由がわからん
小説なら見事なオチを期待 創作だとは思うけどすごく面白いので最後まで読みたい
期待してます 御祓いは恙無く終了し、僕は体が軽くなったような気がして御札を頂いたあと一礼して鳥居を潜り抜けていた
ただ、失望したのは密に御祓いをしてくれる、というのは祓う時間が長いということで事情を詳しく聞いてくれる訳ではないということだ
だからこれで居なくなったのだ、という実感は湧いてこない
体が軽くなったのは神主さんの美声が体を通り抜けてあたかも自分が昇天してしまったように感じたにすぎない
だから御札とは別に御守りも買って万全を期したつもりだ 家に入った途端、空気が重い
気の所為じゃなく伸し掛かるような湿度…水気を感じた
慌てて御札を一番奥、僕のベッドの上辺りに貼る
浴室にも、キッチンにも
そして玄関のドアを開けた
昨日調べた時に誰かが御札は逆に閉じ込める時もあるから、出入り口は塞いではだめ
と書いていたからだ
さらに御守りは麻紐を繋いで輪を大きくし、首から下げた この光景を誰かが見たら僕の気が違ったようにみえるだろうな、とぼんやり考えていた
そして膝を抱えて床にじっと座っていた
これが14時
何度か瞬きしてみると、辺りは真っ暗になっていた は?
なんで暗い
呆気に取られて立ち上がろうとしても動かない
指一つ動かない
目線は動かせる
異様だ
真っ暗ななかに座ったまま動かないなんて
固まっていると、玄関から女が入ってきた 細い首の両側から流れる黒髪
白というより蒼ざめた肌
僕にまっすぐ近づく
ぺたんと目の前に座り、僕を見てくる
僕は目を瞑ることが出来ない
あの時の怒りがいきなり再燃した
「…出て行け!篠原、僕の家から!」
声が出た
目の前の女が、黒髪で隠れていた顔を上げた
大きくて真っ黒な口が笑った
「そうぇ だえぇ?」
言葉の意味が解った時、僕は意識が飛んで
気づいたのは朝だった 身体がガチガチに軋む
身体中がしっとりと湿っている
眠って起きた時の気だるさが微塵もない
昨日のアイツの言葉がよぎって、関節が悲鳴を挙げるのも構わず膝をつき、立ち上がった
頭は床の接面部が痛いものの、中身は冴えていた
故に、僕は改めて愕然としていた 「そうぇ だえぇ?」
それ 誰?
アレはそう言った
僕はその前に「篠原」と名前を呼んだ
嘘だ、アレが篠原じゃない?
じゃあ何なんだ、そんなことがあるもんか、だって それともう1つ気づいた
御祓いなどなんの役にも立たなかった
首にかけていたお守りを握ると、水が滴った
なぜかたっぷりと水を含んでいた >>190
ここだけ字の感じが違いますが、これはバグでしょうか?
データを再取得したから直ったのかがわかりませんが
見辛くてすみません 昨日あれほど身が軽く感じたのは「気はこころ」であり「プラシーボ効果」だったのか
もう嫌だ
意味が解らないなんてものじゃない
正体が解らないものにたちむかえる訳がない 僕は心霊を調べている最中にしばしば目についた「霊能者」に相談しよう、と決めた
最後の手段だ、と
前の僕なら胡散臭いと一蹴していた
でももしも、アイツが僕から離れてくれたら…幾らだって払う
心からの感謝で払う
僕は先輩に電話して、あと一週間下さいと頼んだ
先輩は僕の声音に圧倒されたように、「本社にヘルプを頼むから気にしないでいい」
と言ってくれた >>194
しない方がいい、という意見とした方がいいという意見が2つあり
この時は中にいた場合出られなくなる、と考えてしていませんでした かつてないくらい必死になって情報を探した
除霊師を探した
色んな人がいた
占い師みたいに飾り立てた人は避け、さらに法外な金額を要求する人も避けた
払うのは構わない、だが詐欺師に頼むのはごめんだ
遠方からパワーやらなんかを捧げて祓う人も、避けた
僕と直に会ってくれて、部屋を見て、その時点で聞いたことに答えてくれる…そんな人を望み
ずっとマックでパソコンをいじり続けた その手の人を呼んで詐欺師扱いして料金踏み倒す人もいたなあ そんななか、ひとつの情報が目を惹いた
「この方は本物です
とても親身になって聞いて下さいました 悩んでいるなら相談するべきです」
とありふれた推薦が付けられていたけど、何故か目が離せなかった
優しそうなおばさんだ
55、年齢が書かれている
似たような人は沢山いたのに、僕は電話番号を書き記していた もし偽物だったら、と疑う事もせず僕は家に着くと電話をかけ暫く待っていた
「おまたせしました」
その声を聞いた瞬間から泣いていた
号泣、というのを人生初、体験した
言葉も出ずに馬鹿みたいに泣いてる僕に、彼女は
「可哀想に、怖かったですね」
と話していた >>192
たまに字が小さく表示されるんですよね
クリックしてレスのAA表示ONにすると通常の文字になるが
他のスレ見てまた戻ってくるとまた小さくなってたり…
自分もよくわかっていない あーちょうど気になるところで終わってる
続きドキドキ 「」と不自然なスペースでAA判定されるのかもね
俺のchmateでは>>190は普通だがたまにそういうのあるな
つかONにすると通常?offでなく? 神社の祈祷って幽霊に効果ないのか
でも命に別状がないのなら効果ありなのかなぁ 続きマダー?
まとめサイトさン、おいらレインボーでお願いします! ごめんなさい
今日は寝ます
明日返事もしたいです
おやすみなさい >>203
ああ、AA判定ですか
納得です
ありがとうございます >>204
いや、そんなことはないと思います
やはり効果はあります 僕がひとしきり泣いて興奮が収まると橘さん(除霊師)は穏やかに話を始めた
「貴方、ここ3日以内に神社…かなりの力のある神主さんに祓って頂きましたね…ギリギリでした いえ、本当に良かったです」
「でもその日にアイツは僕の処に来たのです」
スマホの向こうで、橘さんが微笑んだように感じた
「貴方の周りにある加護のお陰で、貴方は彼女に触れられなかったのです
もしも触れていたら、貴方は今、此処に居なかったでしょう」 「確かに祓うまでは出来なかったにしてもそれは仕方ないでしょうね、貴方に執着している霊は今は最初のと合わせて3体分になってしまっています」
絶句。
驚いて黙ってしまった
「とにかく、そちらへ行きましょう
一刻を争います」
僕は見えもしないのに頷いた 橘さんの姿を見たとき、またしても涙が込み上げた
なんの涙かはわからない
安心感に体ごと包まれたような暖かさが僕を労ってくれている
見た瞬間に、橘さんは普通のひととはまるで違う
他の人より数段明るいのだ
影さすところの無い、存在感が明るい 「初めまして
よく私を信じてくださいましたね
ありがとう」
頭を下げる橘さんに僕はとんでもないと頭を下げ返した
「貴方の家へ行きましょう」
橘さんは説明もしていないのに僕のアパートの方向へ迷い無く進む
不思議に思うと
「家と貴方は密接につながっています
それは誰しも同じこと
貴方と共にいる方々の思いも密に残ります 嫌なことを言えば、貴方は既にがんじがらめにされているのです」
というような言葉を言われた
「私が行くことで、貴方の家と私も繋がります なので遠くに居ても状況がより良く解るようになります」 アパートの、僕の部屋の前に立つと
「鍵を貸してください」
と言って橘さんは手を差し出した
それから何か呟いて鍵を開ける
「今まで数々見てきましたが」
とつぶやく
「こんなにベタベタした空気はなかなかお目にかかりません」
「失礼します」
橘さんがいると、空気が間違いなく軽く感じた それから、応接間で今まであった話を全て話した
省略してはいけない、と言われて僕の折々に感じた気持ちも誤魔化さず話きった
話し終わると2時間は悠に経っていた
橘さんは背筋を真っすぐに聞いてくれて
一言も口を挟まず真剣に時折頷くだけだった
「わかりました、お話をありがとうございます
あらかた、わかりました」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています