最近何をやっても全て失敗に終わり、そんな自分がだんだんと嫌になってきた。
俺は気晴らしに仕事の休みを利用してバイクでソロツーリングに行くことにした。
目的地は設定せずのんびり走ろう。そう考えて出発した。
順調にバイクを走らせ、気がついたら日が暮れていた。
既に自分がどこにいるかわからなかったが「今の俺に怖いものはない」と思い、暗くなってきたにも関わらず山の中に入って行った。
俺は元々とばす、攻めることはしないのんびり走りたいライダーなのでそれなりのスピードで走行していた。
この日はよく晴れていたので星がとても綺麗だった。
「誰も走ってないなぁ、山の中だし当たり前か。てか、ここどこだろう」そう考えながら走っていると急激に霧に包まれ、周囲で見えるのは自分のバイクのライトのみ
「うわっ、危ない」そう思いスピードを20キロまでさらに落とした。
霧が晴れないまま下り始めた。下りはじめてすぐにいきなり前方に女性が横向きに立っているのが見えた。
霧のため体感前方10mも見えてない状況のため、女性が突然見えたという事はすでに女性とはもう距離がない。
しかもその女性、避けるどころか棒立ちのまま顔をコチラに向けるだけだった。俯いていて髪が顔に掛かっていたのではっきりと顔は見えなかったが。
俺は一瞬で「避けるのは間に合わない!」と判断し、バイクを地面に倒してそのまま滑っていった。
どうやらそこはちょうどカーブの地点で、滑っていって最終的にガードレールに横倒しのバイクと俺は衝突してとまった。
一瞬何が起きたのかわからず固まってた俺。
次第に全身の痛みが徐々にじんわり感じはじめる。