シュメールの神々の体系としては、原初にアン(天)、キ(地)およびエンキ(水)などがあり、アンとキは結び付いてエンリル(大気)を生んだが、このエンリルはのちにキの地位を奪った


▼地は土地を示す限定詞

ちなみに「地:キ(ki)」という名前の神様もいます。「天:アン(an)」 のお后です。

また、「キ(ki)」は土地を表す限定詞としても使われます。たとえば以下の単語の最初に「キ=ki」が見えますね。

http://inanna.blog.jp/archives/1025804064.html


エンリルの出自に関する記録は時代・地域によって異なりはあるが、人類創造や天地開闢のような創世神話にまで至る古い歴史を持つ。代表的なものに、エンリルは天空神のアヌと地母神のキから産まれ、その際に天と地を分かち現在世界の形を生み出したとされる。
更にアヌからキを奪い、キに代わって地上の支配者になった後、神々の労働を肩代わりさせるためにキと交わって人間を生み出した。この流れは、原初の天空神(=アヌ)から農耕に不可欠な雨をもたらす「嵐」と「風」の神(=エンリル)へと信仰が変動していったことを意味している。