渡辺浩弐「2000年のゲームキッズ」から「きれいな仕事」

畜産が完全に工業化され、最初にオスメス一頭ずつセットすれば
四肢の神経・筋切断による固定→強制的に飼料を与えることによる肥育(メスの場合は適宜搾乳)と排泄物の処理
→ある程度大きく成長すれば販売されやすいサイズにまで解体→解体の際、卵子と精子をより分け次世代の個体作成
とオートメーションによりどんどん肉製品・乳製品を製造する装置が実用化された時代
牛肉などのありふれた家畜では競合他社が多すぎるため、私は大猿用の装置を購入し、二頭の大猿をアフリカから輸入した。
結果、肉製品と乳製品は好評を博し、業績もうなぎのぼり。
…白状すると、二頭の大猿は輸入した時点で病気にかかっていて使えなかったため、私は若い男女の部下2人を薬で眠らせて大猿の代わりに装置にセットしたのだ。
今も内部が不可視の装置の中で2人の子孫がどんどん製品になっていく…