>>145
ここにいたら、このままでは奴らの手が自分の足に届いてしまう。

ここから落ちたとして、数えるほどしか生えていない樹木に引っかかって助かる確率はゼロだろう。
真下に広がる崖底の雲の部分まで真っ逆さまだろうな。

そう考えるばかりで体が動かないのです。

そのあとの事はよく覚えていないのですが、ちゃんと両親と一緒に駐車場まで帰れました。
その場所の名が谷川岳だと知ったのは、私が成人してからのこと。
あの時のことが気になり、私が母に「小さい頃に群馬で行った霧が濃い山なんて言うの?」と聞いたからです。
そして昔の事件や、犠牲になられた方が世界で一番多い山だということを知りました。

あの場所で亡くなられた全ての方に、心からお悔やみ申しあげます。


谷川岳に限らず他にもエピソードがあるのですが、初投稿につき一度これにて失礼致します。