ヤングアニマルで連載されている「ペリリュー─楽園のゲルニカ─」というペリリュー島の戦いを舞台にした漫画
その序盤のエピソード

主人公は漫画家志望なのだが戦争に駆り出される事になる
運動神経もあまり良くなく、戦う意志もそこまでない主人公は部隊の中でも落ちこぼれ扱いだった
そんな中で主人公は自分と同じように落ちこぼれ扱いされている同期の男・Aと仲良くなる
しかし、Aは死にたくないと考えている主人公とは違い、もし死ぬ事になったら一人でも多くの敵兵を殺して勇敢に死にたいという思いを持っていた
かつてAの父親も戦争へ赴きそこで戦死したのだが、後日軍の功績係から父親の最期の様子が書かれた手紙が送られてきた
そこには家にいた時の父親からは想像もできないような勇敢な戦い様と死に様が描かれており、それを読んだAも自分が死ぬ時はそうでありたいと強く思うようになった
ところが、その数日後、Aはあっさりと死んでしまう
その死に様は警報に驚いて足を滑らして頭を打って死亡という、父親とは比べ物にならないくらい、情けない死に様だった
ショックを受けている主人公は上官に呼び出される
上官は主人公が漫画家志望という事を知り功績係に任命するといい、Aの最期の様子を美化して書くように伝える
最初は嘘を付く事に抵抗を覚える主人公だったが、上官からこれは遺族の為でもあり、A本人の為でもあるという説得を受けて引き受ける事に
そして、主人公はAがいかに敵軍相手に勇敢に戦い死んでいったか、虚構の話を作り上げ、上官からも評価される
主人公はAに対し、虚構の中だけでも父親と同じ勇敢な兵士になる事ができて喜んでくれるだろうか、と考える
その時、主人公の脳裏にある思いが湧き上がる
Aの父親は勇敢に戦い死んでいったというが、もしかしてそれも今回と同じような虚構の話だったのではないか
そうなると、もしかしたら自分はとんでもない事をしてしまったのではないのだろうか、と