こないだ父の運転でドライブに行った。
京都の南のほう、山城っていわれるエリアだな。
ナビもない車なんで、夜になると道に迷ったようだった。
京都って道が分かりやすそうだけど、山城の方は碁盤の目じゃない。
ふつうに田舎の、川沿いだったり山道だったり細い道もたくさんある。
こっちじゃないの?とか言ったりしたが、慌てていたのか父にはことごとく制止された。
ある山道に入ったとき、車が動かなくなった。車中泊することになった。
すぐ寝たんだが、父のぶつぶつ言う不気味な声で目が覚めた。いや、実際には父の声っぽくなかった。
「てん、、めん、、ざん」のような。
顔も父でないかのようだ。あわてて車のエンジンをかけると動いた。
近くにお寺があったのでおしかけた。
住職は父をみるなり「なんてことをしたんや」といって、しばらく父を預かってもらうことになった。
翌週、父を見に行ったら、坊主になってお経を唱えていた。髪が自然に抜けたらしく、聞くと、カミノケの仕業だという。
山城半分で山に行くな。