石じじいの話です。

場違いのものの存在は恐怖をもたらします。
深夜に、刃物を持って歩く老女、深夜に遊ぶ子供や白いワンピースの若い女性w、山中の立派な屋敷など。
そのような話を書き込んだことがあったと思います。
じじい曰く「夜は、おなごに会うのがいちばん怖いわい。昼間はええけどな。」

じじいが山を歩いていると、小さな祠の前に土下座して突っ伏している男性がいたそうです。
その男性は、額を祠の前の石にすりつけるようにして微動だにしません。
この人は死んでいるのでは?と思って近づきながら声をかけましたが、まったく反応がない。
注意深く近づいて様子を見ても、まったく動かない。
その人の脇にしゃがみ込んで、顔をのぞきながら話しかけました。
体調が悪くて動けないのかもしれないと思ったからです。
しかし、その男性は、まったく動かず、ただ、消え入るような声で、「このままにしておいてください」
じじいには、その男性の口元がわずかに微笑んでいるように見えたそうです。
じじいは、そのままにして、そこを離れました。
「なんかの修行やったんかのう?あがいなふうなもんは見たことも聞いたこともなかったがのう。」