【簡略版】百物語 2019【非公式】
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
長らく続いていた正式な百物語スレではなく簡略版のなんちゃって百物語スレです
運営さんがいませんのでエントリーなどの手続きは省略します
下記の注意事項に従い気楽に気軽に投下して下さい
注意事項(ルール・マナー)
◆自己責任系の話は本文の前にその旨を明記しておきましょう
◆コピペはそうと判るように明記 or ヘッダを省略しないこと
◆個人情報や誹謗中傷などは書き込まないこと
◆実話・創作は問いませんがあからさまな創作宣言は興醒めするという人も多いので気をつけて
(↓以下、洒落怖スレのテンプレより拝借)
◆他の人が書き終えるまで投稿は待ちましょう。
◆長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿しましょう。
◆煽り・荒らしは徹底放置・完全無視が基本姿勢。反応するあなたも
煽り・荒らしです。過剰な自治も激荒らしです。
◆コピペの際には転載元を提示。2ch・5ch以外のサイトからは許可を取ること。
◆文での感想はOK。点数形式での採点はNG。ただし叩き、煽りと感想は違います。
日頃気をつける程度に、言葉には気を遣いましょう。 これから書く話はもしかすると自己責任系ってやつかもしれないので
そういうの気にする人は俺のIDをNG登録してください。
(この1レス目は前置きなので読んでも問題ない)
それと話に虫が出てくるので虫苦手な人も読まずにスルーした方がいいかも。
SNSで意気投合して仲良くしていたKというネット上の友人がいた。
そのKが去年のある時を境にSNSに浮上しなくなった。
リプやDMを送っても反応無し。
そして先週とうとうアカウント自体が消えてしまった。
長期間ログインしてなくて運営に削除されてしまったのか
それともKが自分で消したのかは分からない。
大袈裟な言い方をするとKはSNSから失踪してしまった。
心配だが俺たちの付き合いはSNS上のみで、本名や詳しい住所はお互い知らない。
LINEなどもやってなかったので連絡が取れない。
SNSへの浮上が途絶える前、Kは俺に長いDM(ダイレクトメール)を送ってきた。 DMによるとKは数ヶ月に渡って恐ろしい夢を見ていたそうだ。
以下その夢の話をまとめ直してみた。
最初の夢の中でKは見渡す限り一面の砂漠を歩いていた。
どれくらい歩いただろう、突然足元の地面が崩れて深い穴が現れた。
Kはそのまま引きずり込まれるように穴の底へと転がり落ちた。
穴はアリジゴクの巣のようなすり鉢状で、大した勾配ではないのだが相当深かった。
おまけに傾斜の砂は異常にサラサラしていて踏ん張りが全く効かない。
脱出を試みても三歩と登ることが出来ない。
悪魔のような砂のスロープとしばし格闘していたKは背後にただならぬ殺気を感じた。
振り返るとそこにはKの数倍はあろうかという巨大な蜘蛛がいた。
叫ぼうとしてKは声が出ないことに気付いた。
声が出ないだけではない。
Kの姿はいつの間にか蜘蛛と変わらないほど巨大なムカデになっていた。
蜘蛛への恐怖と変わり果てた我が身の姿のおぞましさにフリーズしていたKは
吹き付けられた糸を避けられずもろに受けてしまった。
強く粘る糸で身動きを封じられてもがくKに蜘蛛が襲い掛かった。
Kは自分を組み敷く蜘蛛に無我夢中で噛み付いた。
気が付くとKはバリバリと音を立てて蜘蛛を貪り食らっていた。 それからKは穴の底で虫に襲われる夢をしばしば見るようになった。
Kの姿はいつもムカデで、相手の虫の種類は様々だったそうだ。
虫だけでなく蛇や蛙もいたらしい。
Kは一度も負けることなく勝ち続けた。
そして倒した相手を毎回食った。
夢を見た後はひどく疲弊していたそうだ。
DMを読んだ俺はまるで蠱毒(こどく)だと思い、Kへの返信にもそう書いた。
Kは「やっぱそう思うよな」と言った。
それから「これまで勝ち続けてこれたけどいつか負ける時がくるのかな」
「殺されるのは夢でも怖い」「でもこのままずっと勝ち続けるのも怖い」「ゴールが見えない」などとも。
俺はあまり気に病むなと慰め、悪夢は体調不良が原因の場合もあるから
一度病院で診てもらった方がいいかもしれないと勧めた。
しばらくしてKは「あれを壊しちゃったせいかもしれない」
と意味深なことを呟いたがすぐに消してしまった。
それが俺が最後に見たKの呟きだった。
あれは俺に宛てたエアリプだったんだろうか。 それから一年以上が経ちKのアカウントが消えてしまった日、俺は夢を見た。
俺は見渡す限り一面の砂漠を歩いていた。
すぐにKが見ていたのと同じ夢だと思い、自らの意志で立ち止まった。
その瞬間、足元が崩れてアリジゴクのような穴へと引きずり込まれた。
だがKと違って俺はそこで目を覚ました。
昔ちょっと明晰夢にハマってトレーニングしてた経験があるのでそのおかげだろうか。
しかし次に夢を見た時にも途中で目覚めることが出来るかは分からない。
Kはまだ蠱毒の夢を見ているのだろうか。
ひょっとして穴の底で待っていればいつかKと会えたりしないだろうか。
それともあの後Kは夢の中で殺されてしまったのだろうか。
その場合、現実世界のKはどうなったのだろう。
あるいはKはあれからもずっと勝ち続けてゴールに辿り着いたのかもしれない。
だが蠱毒のゴール、頂点に辿り着くということは呪いの媒体にされるということだ。
どれも俺の馬鹿げた想像に過ぎず、元気で暮らしていてくれと心底思う。 レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。