安田貞治神父著「聖母像の涙」より抜粋

”ファチマの聖母出現の出来事は六回あり、十月十三日が最後のものとなったように、
秋田での聖母のお告げも十月十三日をもって終わっている。これは単なる偶然の一致と
は思われない。
ファチマでの聖母の予言、いわゆる第三の秘密は、ルチア修道女によって教皇庁に
伝達されたが、その内容は、いまだに公表されていない。
歴代の教皇もコメントを避けておられる。いきおい、恐慌を煽るような憶測が世に流れて、
人々の好奇心を刺激している現状である。
しかし、この秘密は、全く伏せておくにはあまりに人々にとって重大な事柄であるゆえに、
聖母は秋田の御像を通して、それをいくらか緩和された形で発表されたのではないか、
と私は思う”
〜中略〜
”これが最後と告げられた今回のお言葉のかなめは、人々が会心せぬならば、
やがて怖るべき天罰がくだされる、との警告である。お声がいったんとだえたとき、
姉妹笹川が聖母像を見上げてみると、お顔が悲しげにみえた、という。これは、
この要請に応えて、どれほどの者が祈りと償いの業にはげんでくれることか、
を考えて、その心もとなさを暗に訴えられたのではなかろうか。
聖母は、ファチマでの御出現においても、同様のことを再三強調されたにもかかわらず、
人々は無視してしまったのである。
このたびは日本の秋田の地を選び、ささやかな木彫の像と素朴な一姉妹を
通して、瞠目すべき超自然的現象の認印をもって、この重大な警告をくり返された
のである。”