小さい頃、当初は3つあったピカチュウのぬいぐるみが、2つになり、1つになった。
お母さんは、多すぎるから従兄弟にあげたんじゃないの?と言う。違う。

小さい頃、家の中心にある柱に、ハサミでバリバリと削って、壁紙を剥がして、傷をつけ、クレヨンでベタベタと塗った。
両親にはかなり怒られたが、記憶の中では、近くで座っていた姉に指示されてそうしたことになっている。
だが、姉がそのような指示をした事実はない。それに、姉に指示されたぐらいでそんなことをする子じゃなかったし、何かがおかしい。
背後から最初に、指示されたときは姉の声じゃなかったかもしれないが、記憶がない。恐怖心は感じていない。
え?どうするの?こうすればいいの?と、何度も姉に聞いて実行。姉は生返事だったような、あるいはそうだよとかいや違うと指示されたような…。
それ以降、世界が安定したかもしれない。その柱の傷と汚しはまだある。