アニメ『おそ松さん』の短編であった「傘地蔵」をモチーフにした話
傘職人のお爺さんが冬越えの資金を稼ぐために手製の傘を持って町へ向かうのだが、道中で6つの地蔵と出くわす
地蔵達が身振り手振りでそれとなく「傘置いてけ」と促してくるので、言われるがままに傘を置いて先に進むお爺さん
町に着くと無事に傘を完売し、冬越えに必要な大量の食糧を手に入れた
「これで婆さんと冬が越せる」
さっそくお婆さんの待つ家に帰ろうとするお爺さんだったが、なんとあの6つの地蔵が再び現れ、今度は「その食糧も置いてけよ」と促してくる
お爺さんは恐る恐る食糧の一部を地蔵に献上し、残りの食糧を抱き抱えて逃げるように帰路をひた走った
しかし地蔵たちは「傘をくれたんだからその食糧だって全部くれるだろ?」と当然のように主張してお爺さんを追ってくる
ようやく我が家へと辿り着いたお爺さんだったが、家の中では6つの地蔵がお婆さんを縛り上げて待ち構えていた
そして雪が積もり、季節が過ぎて春になる
丸々と肥えた地蔵達がお爺さんの家を突き破って出てきて、何処かへと去っていく
家の残骸の中ではガリガリに痩せ細ったお爺さんとお婆さんがピクピクと痙攣していて終わり

昔話では善行を行えば報われて幸福になるのがセオリーの筈なのだが・・・