石じじいの話です。

不完全なのですが、こんなメモがありました。

じじいと競るほどの石集めの人がいたそうです。
その人は、病気で死にかけていました。
彼が言うには、自分はどうしてもこの世に執着がある。
もし自分が死んだら、この石を、自分を焼くときに胸の上に置いておいてくれ。
そして、骨壷にも、その焼け残った石を入れてくれ。
そうしたら、執着が消えて往生できるだろうから。
そのために、この石を選んだと。
と。
彼が死んだ後、家族の人たちは、そんなことはできないと思い、石を置きませんでした。
葬式の翌晩、彼は出ました。
家人の枕元に立って、「なぜ、おれの願いを叶えてくれなかったのだ!」と恨みごとを言ったそうです。