>>66
(つづき)
玉砂利はほとんどがありきたりの石でしたが、たまに、きれいな色の石が混じっていることがありました。
それを通学中に拾って、よくじじいに見せたものです。
じじいは、私が拾ってきた石を見て、「ほう、この石は珍しい、どこそこあたりにある石やね。どこそこの河原の砂利よね」とか言って、石の産地を同定していました。
今では、環境保全のため川砂利を採取するのは禁じられているのでしょうけど。
ある時、道路に新しく敷かれた石のなかに、灰色の変な石を見つけました。
割と複雑な形で、どうもふつうの石ではないと思いました。
さっそくじじいに見せたのですが、じじいは:
「これ、どこで見つけたんぞ?他にはなかったか?」と真顔で尋ねてきました。
私は、これは貴重な石かもしれん!と思い、わくわくしながらじじいをその石を拾ったところに案内しました。
二人で追加の石を探しましたが見つかりません。その石1つだけでした。
「これはどがいないしやのん?」と尋ねると、じじいは真剣な顔で:
「ええか、これはな、石やないんよ。これは人間の頭の骨で。みてみい、ここに歯がついとるやろう、顎の骨よ」
(つづく)