数年前、ある国立大学近くの住宅街で三階建てが二棟ほど立つのアパートの新築工事
ある朝現場につくと、前の晩に残業した業者が「幽霊を見たらしい」と言って
朝礼前の工事人たちが半笑いながらざわめいてる
俺は夕方手が空いた頃、事情を知ってるはずの現場監督に聞いてみた
「幽霊でたんすか?どんなやつ?」」
監督、軽く薄ら笑いしながら「作業着を着たおじさんが窓ガラスに映ってたって…」
俺も思わず薄ら笑い

あとで聞いたら、そのとき監督さんは余命数ヶ月の癌告知を受けていたようで、今はもういないそうだ。