就寝中に金縛りに遭った。仰向けなのに三本の尖った指に背中をグイグイ引っ張られた。なぜ三本なのかと言うと、その三本が時々背中に当たるから。

真っ昼間、サッシの2〜3cmの隙間から覗いてくるギョロリとした目玉と目が合った。弟だなと思い直ぐに目を逸らしたが「ん?そんな事する訳ないかw」と直ぐにサッシに視線を戻すが何も無い。
数センチの隙間から見えるのは裏庭の木々のみ。よくよく考えたら見えていたのは目玉だけで、その他の顔のパーツは全く見えていなかったことに気がついた

帰宅を急ぐ真夜中、私は自転車で坂道を下っていた。下り降りた先は突き当たりでフェンスがあり幅10m程の川がある。向こう岸は人しか通れない歩道だ。
その坂を下りきろうとした刹那、向こう岸に自転車に乗る人影を見つけた。それは右から左へ、一瞬で明るい所から暗がりへ入る。そして直ぐにまた明るい所へ出てくる。筈だった。
私は視線を外さず坂を下りきり、次に出て来るであろう明るい所を凝視する。が何も出て来ない。こちらからの距離は10m程。見失う訳がない。
10分程経った頃、自転車が進むべき方から人が来た。私は思いきって『今自転車が行きましたよね?』と聞いた。
だが彼は『何も見なかった』と言った。

大して恐くなくてすまん