怖いか怖くないかよくわかんないけど。

友人の家に泊まっていたある日のこと。
その友人は霊感があるらしく、その部屋でも度々霊障が起きていたらしい。
私は零感だし、お酒を飲んでいたこともあって、友人と2人で適当に雑魚寝をしていた。
何時頃だったかは忘れたけど、頭は起きているけど体は寝ているような、夢うつつな瞬間があった。
目は開いてないけど、周りの雰囲気は分かる感じ。
確か電気はついていて、友人は寝ていたと思う。
ガタガタガタッ!と、扉を開ける音がした。
友人の部屋は離れにあり、古い引き戸で建て付けがすこぶる悪い。
「おい!お前ら!もう朝だぞ起きろ!!」
ドタドタと部屋の中に入ってくるのと同時に、野太いオッサンの声がした。
離れに部屋があったせいで、友人の家族と会ったことがなかった私は、なんだか気まずくて狸寝入りを決め込むことに。
オッサンは私たちの顔を覗き込むと、
「なんだ、寝てんのか」
そう呟いてどこかへ消えた。
割と大きな音と声だったはずなのに、全く起きない友人を不思議に思いつつも、なぜか急に眠くなり、寝ていた。
起きた時には友人も起きていたので、オッサンのことを聞いてみると、友人はそんなことはなかったと言う。
そして以下のことがわかった。
・部屋には鍵がかかっていた
・オッサンは靴のまま部屋に入っていた
・オッサンが消えていったのは、姿見の中
・そもそも友人の親族にそんなオッサンは居ない
未だに夢かどうかがわからないけど、何となく私は友人の家に行くのをやめた。