〈「クロノバイザー」とは何か?〉

開発された霊界の音声と3D画像を受信できる装置だった。その3Dがやがて4Dへと進み、被験者が霊界のみなら
ず未来や過去の映像のホログラムに包まれ、現れた人物と会話ができる。いわば現地へいかないタイムマシンへと発展したもので
ある。

某社施設に巨大なクロノバイザーがあった。一つの部屋の天井いっぱいにクリスタルが吊るされ、視覚情報を投
射すると同時に未来のホログラムと音声をリアルタイムで現在と相互に受信できるらしい。
 ただここでも被験者は子供である。被験者が大人だとホログラムが崩れるのである。
 電磁波保護スーツを着て、クリスタル製のヘルメットを被り、約75pの高さのd台の上にたったバシアゴ氏は、装備が作動した
後に水しぶきを感じた。最高裁判所は水面下にあるようであった。(水深約30m下)建物の円柱は水苔で覆われていた。
 装置が止まった時バシアゴ氏は冷や汗を多量にかいていた。
 クロノバイザーで得られる未来や過去の画像は、あくまでタイムライン(時間軸)の一つにすぎず、未来が確実にバシアゴ氏が
見た通りになるとは限らない。
 現に最高裁判所が水没する事態は発生していない。
 あとクロノバイザーの特質として、被験者は一時的に周囲から姿が見えなくなることがあるようだ。
 その後もバシアゴ氏は、テレポーターやクロノバイザーを使ってタイムワープを続けた。1億年前のアリゾナで恐竜を目撃した
り、1800年代のオランダで水路に落ち女性に助けられたりした。
 だが1971年夏にクロノバイザーによる実験は中止になった。少年たちの実験で得られるデータに微妙な狂いが生じ、我々が知る
タイムライン(歴史)が改変される恐れがでてきたからである。