その後、直ぐに飲み会は終わったけれど、駅までの道を歩きながら上司さんとAが話をしていた。駅で別れる時、少しだけAはスッキリした感じだった。
その晩、妹は布団に入ってから1時間も経たない内に目が覚めた。
凄い耳鳴りと体の振動が始まったので、「こりゃ抜けちゃうな。面倒だな。」と思った。
抜けちゃうとは幽体離脱のこと。
面倒と思ったのは、一見立派なことを喋ってくる嘘くさい存在が出てくることがあるからだ。
案の定、振動轟音から金縛りになりそのまま離脱。
ふと背後に気配を感じたので、視界を拡げると、なんとBがニコニコと手を振っていた。
本物かどうか躊躇していると、「本物ですよー!」と笑いながら妹に手を差し伸べてきた。
Bの手を握ると、Bは「さあ、行きましょう。」と述べて、瞬時に場面転換した。
✳︎ごめん。あと一回だけ延長する。