最後です。
しかも、これも多分オカネタじゃない可能性が高いし、ここでこの話を書くと怒る人もいるが。

去年の夏。二人目の娘が生まれた。
生まれたばかりの子なので、嫁は朝も夜もなく世話をしており、時々私も夜のお世話をしていた。

ある晩、いつものいうに娘がおギャーと泣いた。時計は見ていないが体感的に夜1時ごろと思われる。
おっぱいを飲ませ、背中をとんとんしてゲップをさせ、おむつを替えて寝かしつけている様子だった。嫁もすぐ寝たように思う。
次は3時か4時ごろなので、嫁が起きなければ私が代わりにお世話をしなきゃあと思いつつ、そのまま眠りに落ちた。

次に意識が戻ってきたのも娘の泣き声だった。
嫁はまだ起きない。
それと同時に気づいたのは、大きな音と家全体が揺れるような振動だった。
キュラキュラキュラと、ゴゴゴゴゴゴと、ミシミシミシミシと、建物や家具がきしむ音が混ざった音だった。
まるで超巨大な重機が、工事をしているか、または巨大ななにかを運んでいるのかという感じだった。
ここは都会で、近くに工場も飛行場もあるので、何がいてもおかしくないが、それにしてもこんな夜中に、こんな振動と爆音を轟かせていったい何をしているんだ、娘が寝れなくなってしまうと怒りすら感じてきた。
やがて娘が本格的に泣き始めたが、嫁が起きて世話を始めたため、私はこのまま寝ていようと思った。
この重機の爆音と振動のなかでおっぱいを飲み、とんとんとんとげっぷをし、おむつを替えて嫁も横になったようだった。
数時間後には起きなければならないのでしっかり寝ておきたいのだが、騒音があまりに気になって目を開けてみた。
すると家の回りには気になるような照明はないのだが、窓の縁からカーテンの裏側を照らすように、オレンジ色の光が外全体を照らしているようで、カーテンが明るくなっていた。
もう夢との区別がつかなかったため、集中して眠りに落ちた。
翌朝、嫁に再度聞いてみたところ、音も振動も眩しい照明も、なにも無かったとのことだった。

多分夢だというのはわかっている。
でも、あまりにもリアルな体験だった。