子供の頃、弟と遊んでいたら見知らぬ女子に誘われて
民家と民家の隙間にあるその子の家に遊びに行って
そこの母親に「もう帰したくない」みたいなこと言われて逃げ帰ったんだけど

その日その話をしたら「そんなこともあったかも」と意味不明な返事をした両親も
一緒にその家に行った弟も
数年経ったら全然そのことを記憶していない
モヤモヤしてるのは俺だけ

さらに時が流れ、いい加減オッサンになった頃にgoogle earthが登場
見てみたら記憶の中の民家と民家の隙間の家が実在していることが確認できた
だからと言って「昔拉致られそうになった者です」なんて尋ねるわけもないけれど

昨年、かつて住んでいた辺りが再開発されているというので見に行くと
その家のある辺りがちょうど取り壊されているところだったんだが

民家と民家の隙間の家だと思っていたところ
周りの家がダミーだったということを知る

子供の頃は夜になると灯りがついていた角の玄関
かつてあの時のことをご近所に聞いてみようかと逡巡した玄関
取り壊しの為に扉が取り外された内側には小屋の壁だけがあった

オチも何もない
とにかく意味がわからない