夢の記憶は潜在意識の経験の積み重ねが表に現れたものという考え方もあって、
表の意識では思いもつかないような発想が、短い夢の中で浮かび上がることが
あったとしても不思議ではない。
化学者のケクレは夢の中で蛇が尻尾をくわえて輪っかになっているのを見て、
当時誰も思いつかなかったベンゼンの分子構造を解明したというし、
物理学者の湯川秀樹は普段つけていた夢日記から中間子理論のヒントを得ていたそうだ。

夢の中で1年間経過したというのが、本当に夢の中で実際に経験したものなのか知るすべはないが、
例えば潜在意識の中ですでに構築されていた記憶の断片が目覚める直前につながって、
1年間過ごした記憶として認識されたものであるとすれば、
この現象を合理的に説明することはできるだろう。