「隣町のカタストロフ」という漫画の最終話

ある3つの町で重力の方向が逆転し物体が空に落ちていく「地変天異」という現象が発生する
序盤はこの現象の中で行動する様々な人々の様子がオムニバス式に描かれていたが、中盤からはサイコパス気質のアイドルをキーパーソンとして、終盤では現象の解決に向けて話が動いていく

実は、この「地変天異」は一人の超能力者の少女によって起こされた物だった
彼女の能力は強力で、自分に迫ってきていたトラックを一瞬でどこかに消してしまえるなど簡単に現実を改変出来るという代物
だが彼女は周囲から距離をとっており、彼女にとって信頼出来るのは幼馴染の少年と一匹の猫だけ
何かしらの事情で現在彼女は病院で昏睡状態にあったのだが、幼馴染の少年はかつて少女が「2人と一匹で誰もいない空の上に行きたい」というような事を言っていたと思いだし「地変天異」の原因が彼女だと推測する
「地変天異」が3つの町に起こっていたのは、彼女自身の眠る病院、猫の住処、少年の通う学校がそれぞれの町にあったから
2人と一匹だけを細かく指定して空に上げる事が出来なかったので、町を丸ごと広く指定して空に落ちるようにしたのだ
少女の望みは2人と一匹が空の上に行く事なので、少年は猫と病院で眠る少女を担いで一緒に空に落ちれば現象は収まるだろうと考える
超能力者の少女に一方的に嫉妬していたサイコパスアイドルの妨害を受けつつも、道中で出逢った人々と協力して何とかこれを撃退する事に成功
少年が少女と猫を抱えて空に落ちていくと、程なくして重力の異常は無くなった

だが、何とか異変を生き残った人々が安堵していると、先ほど撃退したアイドルが空から落下し地面に激突した
そして彼らは空を見上げて呆然とする
超能力者の少女の願いは「2人と一匹だけの世界」として空の上に行く事であり、それ以外の物は必要が無いのだ
これまで空に落ちて行った車、木々、壊れた建物の瓦礫が今にも町へ降り注ごうとしていた


と、いうところで終わり
異変そのものは解決していても余波は解決していないところで終わっている上、結局はたった一人の恋慕的なモノに町の人々は巻き込まれただけなので後味が悪かった