というAの精神的な成長を描いたのが先週までで、ここまではよくあるめでたしめでたしな話だったんだが、今週の話ではAの死んだ兄Kの話が描かれた

Kは自分でもはっきり自賛するくらい優秀な魔法使いだった
他の生徒とは比べものにならない実力があり、先生や両親にも一目置かれていた
そして彼は周りの者を自分を持ち上げる足場と認識していた
その他大勢はごく一部の天才のために犠牲になるようにできている。それが世界の理なのだ
そんな彼にある日弟=Aが出来る
Aはいつもボーっとしていて物覚えも悪く歩くのも喋るのも遅かったし、試しに母親が簡単な魔法を教えても全くできなかった
Aが「どうしようもないグズ」だったおかげでKは更に特別視され、KはAに感謝していた
ところが、ある時Kは庭で遊んでいたAが鳥に襲われているところに直面する
Kはどんくさい弟を情けなく思うが、助ければ褒めてもらえるだろうと仕方なくAを助けることにする
だがその瞬間、Aを襲っていた鳥は一瞬でバラバラに消し飛んでしまった
Kがやった事ではなかったし、他に誰もいない。つまり鳥を消し飛ばしたのはAという事になる
だが、それはAが「魂あるものに魔法をかける特級魔法使い」という事に他ならない。生物に魔法をかけるのは優秀なKですら努力でどうにかできる物ではない天性の才能だった
Kは焦る。Aが特級魔法使いであることがバレればみんながAに夢中になる。それがこれまでチヤホヤされてきたKにとって我慢ならなかった
Kは人の頭ほどの大きさの岩を手元で浮かせた。「悪いなA、オマエはぼくの足場、優秀なぼくの……」と呟きながら、岩を持ち上げてAの頭の上に落とそうとする
するとAは「あー」と気の抜けるような声をあげ、その瞬間、Kの頭は先程の鳥のように跡形もなく消し飛んでしまった
『その他大勢はごく一部の天才のために犠牲になるようにできている。それが世界の理なのだ』


単品で見ると自業自得みたいな話なんだけど、先週までがAの成長物語として綺麗に終わってたので後味の悪いエピローグって感じた
ちなみにAとKは某有名な兄弟の名前そのままなので、エピローグ無しでも何があったのかは気付こうと思えば気付けてたかもしれない(ので伏せた)