と、いうところでこの話は終わり。そして短編集自体もこの話で終わり
何があってタイムスリップしてきたのか、結局2人がどうする事にして友人はどうなるのかは語られない
だがその様子から、どうやら過去を変える事は出来ないと悟っているようにも見受けられ、タイムスリップの目的は「死んだ友人と再会する」というだけで果たされてしまっているようにも思える
最初に述べた通り、この作者のキャラクターは感情的に平坦な事が多く人が軽々しく死ぬ世界もあるのだが、この話の2人は単に平静を装っていただけで友人の死は当たり前に悲しい出来事
それを過去に戻って再会する事で思い出してしまう上に結局どうする事も出来ない、という話がこれまでシュールコメディ系だった作品集の最後に来るので
うっすらと後味の悪さを覚えたというか、胸を締め付けられるような読後感があった