昔、ホラー系の漫画雑誌で見た話。

男子小学生三人組(以下、A・B・Cとする)が遊びに来た山で迷子になる。
季節はもうすぐ冬。
寒さと怪我の痛みで震える三人の前に、不思議な生き物が現れる。
見上げるように大きな体をしたその生き物は、頭に帽子のような物をかぶっている。
怯える三人だが、生き物は彼らを温かい洞窟に案内してくれた。

「じいちゃんが言ってた。あれはきっとヤーボだよ。山に住む、動物の神様なんだ」
囁き合う少年たちに、ヤーボは指先から滲む汁を舐めさせる。
それを舐めるとすっかり元気になり、なんと怪我まで治ってしまった。
回復した三人は、ヤーボに人里のある方向を教えてもらい、礼を言って洞窟を出た。

しばらく進むと、行く手に怪我した小動物がいた。
Aはもう一度ヤーボを探して手当してもらおうと提案するが、BとCは早く家に帰りたくて仕方がない。
結局、三人は別行動を取ることになり、Aは小動物を抱えてヤーボを探し、BとCはそのまま進むことにした。

続きます。