学校と私
「自分はすてき」と自己暗示=起業家の慶応大生・椎木里佳さん
https://mainichi.jp/articles/20180129/ddm/013/070/022000c

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椎木里佳(しいき・りか)さん

 小学生の頃は泣き虫で、教室まで送ってくれる父に「パパ、帰る。帰る」と泣きついていました。
そのイメージがクラスメートには残っていたようで、学年で一番目立つグループに入れなかったんです。コンプレックスでした。

 小学4年の時、父から「人は使命を持って生まれてきている」と言われました。そして「里佳の使命って何?」と聞かれました。
しばらく考え込み、「他人をサポートするというより、先頭に立って引っ張っていくことかな」と答えました。理想の自分が芽生えたのがこの頃です。
でも現実とは乖離(かいり)していました。

 中学は内部進学の他に受験をして入学する人もいます。
自分のイメージを変えるのは今しかないと、中学生になる前の春休みに、自信をつけるため「自分はすてきだ」と鏡の前で自己暗示をかけ続けました。
最初は半信半疑でしたが、だんだんそう思えてきて、無事に中学で一番目立つグループに「デビュー」できました。

 中学1年の時に会社を起こしたいと思い、3年で実現します。
普通の学生生活を送っているのが嫌で、独学で中国語を始めたり、本を読みあさって名言を書き出しては部屋の壁に貼ったりしました。
中学では体操部にダンス部、放送研究会、生物愛好会、茶道部と部活を五つ掛け持ちしました。
人と違うことをしたい、目立ちたいという気持ちで入ったんですが、別のやりがいが生まれ、予定をきちんと立てて、どう時間のやりくりをするかを学びました。
今も大学生活と会社を両立させるのに生きていると思います。

 高校2年になるまで、夏休みや冬休みが明けて数日間は学校へ行けず休んでいました。
長期休みの後には仲の良かった友人が変わってしまっているような気がしたんです。「私のこと好きじゃなくなったかもしれない」と家に引きこもりました。
両親も「えー、行かないの?」と言いながらも気持ちを察して、休むのを許してくれました。