(続き)

予定を変更し、一旦家に戻って我々の大荷物を置いてから徒歩圏内の商店街をプラつくことに
とはいえ俺に気を遣ってくれたのは十分に伝わった
田舎には存在していなかった大きな家電屋、オモチャ屋なんかを選択してくれた
おまけに浮いた旅費で豪華なもの食べましょう、と昼から高級なレストランへ

席に着き、俺は買ってもらったオモチャのことでイトコちゃんと話に夢中
しばらくして父と叔母さんが、
「(席から遠方の)テレビのニュース見てくるからここで座ってなさい」とのこと
ところが料理が運ばれても全然戻ってこないので、しびれを切らした俺が呼びに行った
テレビ前には映像をガン見している大人が7,8人ほど集まっていた
一体どんなニュースなんだと見てみたら、「静岡駅」「2度の爆発事故」の文字が見えた

席に戻った父と叔母さんが事故のあらましを子どもに分かるようにかみ砕いて教えてくれた
・駅ではなく、正確には駅の地下街でガス爆発事故が2回あった
・もし叔母さんが遺影の件で戻らず、予定通り新幹線に乗っていたら1回目の事故に
・4444、9999のキップがなければ2回目の事故に巻き込まれるところだった
・その地下街を通る予定だったかまでは分からないけど、タイミング的に完全に一致していた

人生初の東京旅行は、東京タワーや新幹線や富士山ではなく、この不思議体験が強烈な記憶として残っている

(おわり)