10年くらい前、彼女のマンションの隣の部屋は物置になってるんだけど、
時々人の声がすると言うので行ってみた。夜中2時頃に隣からヒソヒソ
声が聞こえるので壁に耳当てて聞いてみた。
男の声「この部屋、前は物置だったらしいよ」
女の声「そうなんだ、今は隣が物置だって聞いたよ」
男の声「隣は訳アリ物件だから、人に貸せないんだよ」
女の声「別に事件とか起きてないって聞いたよ」
なに言ってんだろう?俺は廊下に出て隣の部屋をノックしてみた。
反応はない。人がいる気配もない。幽霊?あんなハッキリ喋るか?
部屋に戻ると彼女も耳当てながら隣の話を聞いてる様子。
俺「なんか聞こえた?」
彼女「あなたのノックの音が怖いって言ってた」
え?じゃあ隣いるんじゃないか!と思い、部屋の壁をノックしてみると
5秒後に同じノックが隣から返ってきた。人の声は聞こえない。
10回ノックしてみた。10回ノックが返ってきた。誰かいるんだ!と確信して
部屋の扉を勢いよく開けたら、そのマンション中の住人が扉を開けて
真夜中にうるさい!と俺と彼女に言い寄った。
物置から人の声とノックがするんです!と言った途端、住人全員が
またか!という怪訝な顔をして、そういうのは明日大家さんに言ってと
あっさり許してくれた。翌月引っ越して、その部屋が物置になり隣の部屋を
貸し出してた。