おっさんが言うには、
彼の父は20年以上前に亡くなった
普通は死ねば記憶を失い、魂だけが転生する
しかし、彼の父は記憶を残したまま転生する術を使い、親族や友人に会いに行くと約束した
最初は誰も信じなかったが、父を見たという話をあちこちで聞いた
みんながもしかしたらと思い始め、彼も信じるようになった
そして、やっと父に出会えたのだという
俺も駅員も困惑した
おっさんは身なりが整ってて、高そうなものを身につけてて、地位も金もありそうな雰囲気だった
それなのに転生だの魂だのなんて言葉を連発し、子供と同年代の男を父親だと決めつける
電波そのものだった